360年前のオランダに思いを馳せる<粘土・クマ>
フェルメールへのオマージュ:牛乳を注ぐクマさん
日本でずっと人気のフェルメール。なかでも、「牛乳を注ぐ女」は、食品の広告などにも使われているくらい人気です。
フェルメールの魅力の一つは、約360年前の、しかも異国の風景がリアルに思い浮かべることができること。そしてさりげない、けれども見知らぬ日常をのぞくような、そんな楽しみがあります。
松岡ぜんぶもフェルメールの名作を眼にするたびに、その時代にタイムスリップしてそっと見ているかのような不思議な気分になります。
特に、「牛乳を注ぐ女」の主人公(メイドさん)の表情に惹かれます。彼女は牛乳を注いで、これからパンプディングを作るところなのだそうです。きわめて日常的な仕事と思われます。とても落ち着いてこの仕事に集中しています。
その表情が本当に美しい。
もちろんフェルメールといえば、窓。そして窓から差し込む光。
この窓から差し込む光と、現代の日光を眺めながら、「ああ、今見ている日差しもフェルメールが見ていた光も、同じ太陽からの光なんだよな~」などと考えたりします。
この作品以外にも、現代の日常生活とフェルメールの作品を、頭の中でオーバーラップすることが多々あります。
世に残っている作品数が少ない巨匠ということですが、有名な作品が多いから、そんな気がしない汗
フェルメールに思いを馳せて、クマさんがミルクを注ぐ
さて、いろいろなことを想像しながらずっと眺めていることが出来てしまうフェルメールの作品ですが、気づいたら手ノヒラ堂のクマさんが、メイドに扮してミルクを注いでいました^^。
このオマージュ作品を制作していて感じたことは、記憶の中での作品の印象より、実際の作品のディティールは、意外とカラフルなこと。
なんとなくフェルメールの世界観は、薄暗い室内にいる人物が窓から差し込む光に部分的に照らされて浮き上がっていて、洋服や家財道具などが渋い色のイメージだったのですが、実際の作品をパーツごとに観ると、かなり鮮やかです。
例えばメイドさんが着ている洋服も、このクマさんが着ている色とほぼ同じ、オレンジのドレスに鮮やかなブルーのエプロン。上半身は明るいマスタード色です。
テーブルのクロスも鮮やかなブルーです。
組み合わせると違和感がないのが不思議。
ミニチュアで再現するとこんな驚きがあるのも楽しいところです。
写真にはありませんが、窓と足温器も追加で制作予定です。
使用材料
クマさん:陶土粘土、樹脂粘土
テーブル:木材
パン、ポット、皿など:陶土粘土、樹脂粘土、レジン
牛乳を注ぐクマさん身長約5センチ
参考文献:フェルメール 生涯と全作品